1年延期での、異例のオリンピックが閉幕しました。競技そのものは本当に素晴らしく、とりわけ58歳の卓球選手の出場には驚かされました。

今回は、全世界的なパンデミックのさなかという特異な状況下ではありましたが、次々に問題が噴出するのを目の当たりにし、長野五輪の時を含め今まで自分はテレビで楽しむばっかりで、オリンピック開催の大変さなど考えたこともなかった…、と改めて思っています。

閉会式で流れたパリの映像はとても素敵に見えました。が、競技場のために生活困窮者のための農場がつぶされそうだ、大規模なリストラを行った企業がスポンサーになるのはどうなんだ、などと新聞で読み、そういえば過去の五輪でも、競技場建設の遅れや選手村の不備といったニュースがあっていたなぁと。

東京2020は特殊な事例だとしても、多かれ少なかれ、開催国ではさまざまな問題が起き、それぞれの大変さがあるのでしょう。知ろうともしていなかった自分の見識の狭さを痛感しています。

知ろうともしていなかった、で思い出すことがもう一つ。戦時中のさつまいものことです。

当時のさつまいもの多くが、とにかく早く多量に収穫できる工業・飼料用の品種で、しかも太るだけ太らせてから食べていたこと、今の美味しい甘いさつまいもとは似ても似つかぬものだったことを私が知ったのは、もういい歳になってからでした。

父は「もう一生分食った」とさつまいもをあまり口にしませんでした。こんなに美味しいのになぜ?とただ訝しんでいましたが、理由がやっと分かった気がして、それを自分が何十年も知らずにいたことがショックだったのを覚えています。何歳になっても知らないことがいっぱいです。
(文責 松本まゆみ)


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