もう早や師走が目の前です。「年末」という言葉には自動的に「気忙しい」がくっついてくるようで、毎年、あれもこれもやらないとなのに全然できてない〰、とアセりながらこの先の1ヶ月余りを過ごすマツモトです…。

締め切りが迫れば「焦燥感」を感じ、やり上げれば「安堵感」や「達成感」を感じる。これは自然な感情の流れと言えるかと思います。

ところが、やり上げると落ち着かなくなって、次の「やるべきこと」を見つけようと、また焦りを感じるとしたら…。こちらの「焦燥感」はもしかすると「ラケット感情」なのかもしれません。

「ラケット感情」は代理感情とも言われます。「怒り・恐れ・悲しみ・喜び」(この4つを便宜上「本物の感情」と呼びます)が抑えられ、その代わりに使うようになった感情のことです。

本物の感情の代わりに使われる感情は千差万別です。小さい頃からの経験を通して、例えば「怒りは出さずに、(代わりに悲しみを使って)泣く→すると言い分を聞いてもらえる」といった使い方を身につけるのです。

小さい頃には自分を守る役割もしてくれたラケット感情ですが、大人になってみると理屈に合わなかったり、何より抑えられた本物の感情は残っているのでスッキリすることがありません。
ラケット感情は、ストレス状況下で「いつもいつも感じる、感じてもスッキリしない感情」なのです。

先ほどの「焦燥感」を使うようになった背景としては、ほんの一例ですが次のようなものが考えられます。
・工作の時間に早くでき上がったのに、先生からは「まだ時間があるよ。もっと工夫する所があるんじゃない?」と言われた。
・ぼーっとしている(←これ大事な時間です)と、親に「することは山ほどあるんだから自分で見つけてやらないと」と叱られていた。
などなど。

自身の「ラケット感情」に気づき、抑えられた「本物の感情」を「感じる」と大きな変化が起こります。「あ~、またこんな気分に…」「なんでいつもこうなっちゃうかな…」と、「いつもいつも感じる、感じてもスッキリしない感情」を手放すことができるからです。 マツモト、最初に「ラケット感情」を習った時は「なんのこっちゃ?」でした(汗)。自分がよく「罪悪感」を使っている、と気づくのにもだいぶ時間がかかりました。かくて学びは続く…、です。 (文責 松本まゆみ)

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