先週、福岡市を中心に配布されたフリーペーパー「Sunday」の巻頭のお悩み相談に登場いたしました。
今回は、コロナ下で不足しがちな“心の栄養(ストローク)”の視点から回答しています。
こちらでも記事内容を紹介いたしますね。
紙面では文字量の都合上割愛した部分も、少し補っています。
読んでいただいた方も、手に入らなかった方も、お目通しいただければ幸いです。
ここで紹介している「ストローク」は、交流分析マスター講座でじっくり学ぶこともできます。
興味のある方は、「交流分析スポット授業」からお気軽にどうぞ。
お申し込みはこのブログのメッセージ欄からも受け付けております。
🌸ストロークとは🌸
「あなたの存在を知っていますよ」という刺激(働きかけ)のことです。
挨拶を交わしたり、お礼を言ったり、目があったりするのは、相手の存在に気づいているからこそ。
心理学・交流分析では、このストロークを“心の栄養”とも言います。
私たちが生きていくためには、水や食べ物といった体の栄養と同様、心にも栄養が必要です。
コロナ下で人との接触機会が減っている現在、
元気がなくなったり気分が沈んだりしてしまうのには、
この“心の栄養不足”が関係しているかもしれません。
ストロークには、「もらってうれしいプラスのストローク」と、
「もらうと心地のよくないマイナスのストローク」があります。
心の栄養として貯められるのは、もちろんプラスのストローク。
プラスのストロークがたくさん貯まっている人は、
他の人にもプラスのストロークをあげることもできますし、
多少のダメージにもしなやかに対応できたりしますが、
マイナスがかさんでしまっていると、
人にもマイナスのストロークを出してしまって、
さらに相手からのマイナスのストロークを受けるなど、悪循環になってしまいます。
プラスのストロークの例を末尾の表にまとめましたので、
こちらも参考に、心にも栄養をたくさん貯めてあげましょう。
<お悩み1> 出産後、コロナで人と接する機会が減ってしまった、人見知り、育休中のママです。
大人としゃべるのは夫だけ。なのに最近、夫にも気を使ってしまい、気持ちが落ち込んでしまいます。
【回答】
人との交流が減っている中での子育ては不安ですよね。
人は、人と接して言葉を交わしたり、
お互いに認めあったりすることで、
心に栄養(ストローク)が貯まっていきます。
とくに乳児を子育て中のお母さんは、
赤ちゃんに栄養をあげることに精いっぱいで、
自分の心の栄養は消費されがちになってしまいます。
パートナーにも気をつかってしまうと、ますます疲れてしまいますよね。
まずはパートナーに率直に今の気持ちを伝えて、
お互いに心に栄養を貯めるようにしていきましょう。
表を参考に、毎日続けられそうなプラスのストロークを決めて、
実践してみるのはいかがでしょうか?
「毎日1つ(以上)ほめあう」というのもよいでしょう。
ほめてもらったら、それをしっかり受け止めて、
自分自身の中にストローク貯金を貯めていくのも大切です。
たとえパートナーがほめてくれたとしても、
「ほめポイントはそこじゃないのに!」とか
「心がこもってない感じでうれしくない!」と感じたら、
それは「受け取って心地のよくないマイナスのストローク」になってしまい、
貯金は逆に減ってしまいます。
「相手はそんな風に感じたのね。受け取っておこう!」と、うれしく受け取るのも大切です。
また、「ここをほめてほしい」と思ったら、それを伝えてほめてもらいましょう。
要求してからもらうストロークも、十分心の栄養になります。
伝えるときには遠回しな言い方は避け、
「今日、こんなことをがんばったんだよ、すごいでしょう?」
などとストレートに伝えるのがポイントです。
そして、実は、自分で自分にプラスのストロークをすることでも心の栄養は貯まっていきます。
「自分がほしいストローク」を一番わかっているのは自分です。
「鏡を見たとき」や「夜寝る前」などタイミングを決めて、
たくさん自分で自分をほめてあげてください。
<お悩み2> 私は子どもを保育園に預けて働きたいのですが、義母は幼稚園がいいと、お気に入りの園を勧めてきます。
夫の意見はどっちつかず。どう対処すればいいでしょうか?
【回答】
お義母さんとは違う自分の意見を伝えたいのだけれど、どのように伝えればよいのかというのはなかなか難しい問題ですよね。
まず、人は、自分にマイナスのストロークをしてくる人の意見は、基本的に聞きたいと思わないものです。
「いつもにこやかに優しい言葉をかけてくる相手」と
「いつもつんけん、いやな態度で接してくる相手」が、
まったく同じお願い事を言ってきたとしたら、どちらのお願いがききたいでしょう?
おそらくみなさん、前者の方のほうが、きいてあげたくなりますよね。
相手と違う自分の意見を伝えたいときは、否定から入らないようにするのがよいでしょう。
まずは相手の意見をしっかり聴いてあげて、
考え方を尊重する姿勢を伝えましょう。
(「相手の話をしっかり聴く」というのもプラスのストロークです。)
「なぜその幼稚園がよいと思っているのか」を聴き、
自分でも「よい」と思える部分があれば、
「なるほど」などと肯定し、孫のことを考えてくれていることに対してお礼を言いましょう。
そのうえで、「自分が働きに出たい」と考えていることを伝え、
「お義母さんが大切にしたいと思っていることは、
保育園選びの参考にしますし、家庭の中でも考えていきます」
などと伝えるのはいかがでしょうか?
また、日ごろからお義母さんに対してプラスのストロークをするように心がけていれば、相手からもプラスのストロークが返ってくる確立が高くなりますよ。
<お悩み3 >学校の役員をの仕事をしない人がいてイライラ。自分ばかり損をしている気がします。
どう言えばやってもらえますか?
【回答】
自分が一生懸命やっているのに、やっていない人を見ると気になりますし、不公平感を感じますよね。
「なんでやってくれないんだろう!」と思ってイライラしていると、ついつい相手にもマイナスのストロークを出してしまいがちになってしまいます。
どんな人間関係でも、余裕がない状態で相手にマイナスのストロークをしてしまうと、相手からもマイナスのストロークが返ってきて、悪循環になってしまうことも少なくありません。
ストローク貯金が心に貯まって余裕がある状態のほうが、冷静なやり取りができ、建設的な結果にもつながりやすくなります。
また、自分の要求を伝えたいときにも、
自分から相手にプラスのストロークをしておくのも有効だったりします。
とは言え、自分の中にストロークが貯まっていないと、人にプラスのストロークは出せません。
まずは、自分で自分をほめてあげたり、自分のイライラする気持ちを自分でしっかり受け止めてあげましょう。
「自分がこんなにやっているのに、何もしてくれないと、イライラするよね! 私って本当によくやっているよね」と、自分の気持ちとがんばりを認めて、先に心に栄養を貯めていきましょう。
一緒にがんばっている人たちとお互いに認めあうのもよいですよね。
文責:真方あゆみ
今回は、コロナ下で不足しがちな“心の栄養(ストローク)”の視点から回答しています。
こちらでも記事内容を紹介いたしますね。
紙面では文字量の都合上割愛した部分も、少し補っています。
読んでいただいた方も、手に入らなかった方も、お目通しいただければ幸いです。
ここで紹介している「ストローク」は、交流分析マスター講座でじっくり学ぶこともできます。
興味のある方は、「交流分析スポット授業」からお気軽にどうぞ。
お申し込みはこのブログのメッセージ欄からも受け付けております。
🌸ストロークとは🌸
「あなたの存在を知っていますよ」という刺激(働きかけ)のことです。
挨拶を交わしたり、お礼を言ったり、目があったりするのは、相手の存在に気づいているからこそ。
心理学・交流分析では、このストロークを“心の栄養”とも言います。
私たちが生きていくためには、水や食べ物といった体の栄養と同様、心にも栄養が必要です。
コロナ下で人との接触機会が減っている現在、
元気がなくなったり気分が沈んだりしてしまうのには、
この“心の栄養不足”が関係しているかもしれません。
ストロークには、「もらってうれしいプラスのストローク」と、
「もらうと心地のよくないマイナスのストローク」があります。
心の栄養として貯められるのは、もちろんプラスのストローク。
プラスのストロークがたくさん貯まっている人は、
他の人にもプラスのストロークをあげることもできますし、
多少のダメージにもしなやかに対応できたりしますが、
マイナスがかさんでしまっていると、
人にもマイナスのストロークを出してしまって、
さらに相手からのマイナスのストロークを受けるなど、悪循環になってしまいます。
プラスのストロークの例を末尾の表にまとめましたので、
こちらも参考に、心にも栄養をたくさん貯めてあげましょう。
<お悩み1> 出産後、コロナで人と接する機会が減ってしまった、人見知り、育休中のママです。
大人としゃべるのは夫だけ。なのに最近、夫にも気を使ってしまい、気持ちが落ち込んでしまいます。
【回答】
人との交流が減っている中での子育ては不安ですよね。
人は、人と接して言葉を交わしたり、
お互いに認めあったりすることで、
心に栄養(ストローク)が貯まっていきます。
とくに乳児を子育て中のお母さんは、
赤ちゃんに栄養をあげることに精いっぱいで、
自分の心の栄養は消費されがちになってしまいます。
パートナーにも気をつかってしまうと、ますます疲れてしまいますよね。
まずはパートナーに率直に今の気持ちを伝えて、
お互いに心に栄養を貯めるようにしていきましょう。
表を参考に、毎日続けられそうなプラスのストロークを決めて、
実践してみるのはいかがでしょうか?
「毎日1つ(以上)ほめあう」というのもよいでしょう。
ほめてもらったら、それをしっかり受け止めて、
自分自身の中にストローク貯金を貯めていくのも大切です。
たとえパートナーがほめてくれたとしても、
「ほめポイントはそこじゃないのに!」とか
「心がこもってない感じでうれしくない!」と感じたら、
それは「受け取って心地のよくないマイナスのストローク」になってしまい、
貯金は逆に減ってしまいます。
「相手はそんな風に感じたのね。受け取っておこう!」と、うれしく受け取るのも大切です。
また、「ここをほめてほしい」と思ったら、それを伝えてほめてもらいましょう。
要求してからもらうストロークも、十分心の栄養になります。
伝えるときには遠回しな言い方は避け、
「今日、こんなことをがんばったんだよ、すごいでしょう?」
などとストレートに伝えるのがポイントです。
そして、実は、自分で自分にプラスのストロークをすることでも心の栄養は貯まっていきます。
「自分がほしいストローク」を一番わかっているのは自分です。
「鏡を見たとき」や「夜寝る前」などタイミングを決めて、
たくさん自分で自分をほめてあげてください。
<お悩み2> 私は子どもを保育園に預けて働きたいのですが、義母は幼稚園がいいと、お気に入りの園を勧めてきます。
夫の意見はどっちつかず。どう対処すればいいでしょうか?
【回答】
お義母さんとは違う自分の意見を伝えたいのだけれど、どのように伝えればよいのかというのはなかなか難しい問題ですよね。
まず、人は、自分にマイナスのストロークをしてくる人の意見は、基本的に聞きたいと思わないものです。
「いつもにこやかに優しい言葉をかけてくる相手」と
「いつもつんけん、いやな態度で接してくる相手」が、
まったく同じお願い事を言ってきたとしたら、どちらのお願いがききたいでしょう?
おそらくみなさん、前者の方のほうが、きいてあげたくなりますよね。
相手と違う自分の意見を伝えたいときは、否定から入らないようにするのがよいでしょう。
まずは相手の意見をしっかり聴いてあげて、
考え方を尊重する姿勢を伝えましょう。
(「相手の話をしっかり聴く」というのもプラスのストロークです。)
「なぜその幼稚園がよいと思っているのか」を聴き、
自分でも「よい」と思える部分があれば、
「なるほど」などと肯定し、孫のことを考えてくれていることに対してお礼を言いましょう。
そのうえで、「自分が働きに出たい」と考えていることを伝え、
「お義母さんが大切にしたいと思っていることは、
保育園選びの参考にしますし、家庭の中でも考えていきます」
などと伝えるのはいかがでしょうか?
また、日ごろからお義母さんに対してプラスのストロークをするように心がけていれば、相手からもプラスのストロークが返ってくる確立が高くなりますよ。
<お悩み3 >学校の役員をの仕事をしない人がいてイライラ。自分ばかり損をしている気がします。
どう言えばやってもらえますか?
【回答】
自分が一生懸命やっているのに、やっていない人を見ると気になりますし、不公平感を感じますよね。
「なんでやってくれないんだろう!」と思ってイライラしていると、ついつい相手にもマイナスのストロークを出してしまいがちになってしまいます。
どんな人間関係でも、余裕がない状態で相手にマイナスのストロークをしてしまうと、相手からもマイナスのストロークが返ってきて、悪循環になってしまうことも少なくありません。
ストローク貯金が心に貯まって余裕がある状態のほうが、冷静なやり取りができ、建設的な結果にもつながりやすくなります。
また、自分の要求を伝えたいときにも、
自分から相手にプラスのストロークをしておくのも有効だったりします。
とは言え、自分の中にストロークが貯まっていないと、人にプラスのストロークは出せません。
まずは、自分で自分をほめてあげたり、自分のイライラする気持ちを自分でしっかり受け止めてあげましょう。
「自分がこんなにやっているのに、何もしてくれないと、イライラするよね! 私って本当によくやっているよね」と、自分の気持ちとがんばりを認めて、先に心に栄養を貯めていきましょう。
一緒にがんばっている人たちとお互いに認めあうのもよいですよね。
文責:真方あゆみ
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