今年も残すところあと数日。もうじき新しい年が始まるこの時期に、こんな言葉に出あいました。

「すべての始まりには 不思議な力が宿っている その力は 私たちを守り 生きていく助けとなる。」

ノーベル賞作家、ヘルマン・ヘッセが1941年に書いた「段階」という詩の一節です。メルケル前ドイツ首相が、2019年にハーバード大学の卒業式のスピーチで、この言葉を引用なさったのだそうです。

大学卒業は人生の大きな節目の1つ。次の何かが始まる時でしょう。でもそんな大きな節目でなくとも、新しい年の始まりは全ての人に毎年訪れます。もっと短いスパンで言えば、それこそ毎日新しい一日の始まりがやってきます。

眠りというある意味不可思議な時間を経て、目覚めとともに始まる朝。その毎朝の始まりも「すべての始まり」の1つだとすれば、そこにもヘッセの言う不思議な力は宿っている。そして一年の始まりには、もしかすると毎朝のものよりも少し大きな、私たちを守り生きる助けとなる力が宿るのかもしれません。

このままコロナが落ち着いて、再開も、また新しいことも、いろんな「始まり」がたくさん!になるよう願っています。
最後にヘッセの言葉をもう一つ。

「人生の義務はただひとつしかない それは幸福になることだ。」

どうぞよいお年をお迎えくださいませ。
(文責 松本まゆみ)

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