半袖でもいいくらいの暑さから一転、真冬のように冷え込んだりと、季節を勘違いしそうな11月です。まだ時おり蚊が飛んでみたり、虫の声も例年のようには聞かれなかった秋…。

虫といえば先日、朝日歌壇にこんな短歌が載っていました。

「兜虫の幼虫焼いて食べていた進叔父さんの時代来たれり (佐世保市)鴨川 富子」(11月5日 朝日新聞)

ユーモラスにも深い内容にも読める一句ですね。「進叔父さん、変わり者扱いされてた人かな」「こんがり焼くとアレって実は美味しいとか?!」「作者と叔父さんは意外とウマが合ってたのでは?」などなど、作者と「進叔父さん」をめぐる状況も様々浮かんでなかなかに興味深い。(一つ言い訳を。マツモト、短歌には詳しくないです。気になる投稿者さん達のお名前を探して“ザッと”目を通すだけであります。)

選者の佐佐木幸綱さんの評にも、
「第一首 昆虫食の時代が見えてきた。『進叔父さん』はどんな人だったのだろう。」
とありました。

昆虫食の研究が急ピッチで進む昨今。
何となく抵抗を感じるのは「食べ慣れてない」から、だけかもしれません。(以前恐る恐る食べた缶詰のイナゴの佃煮、美味しくてビックリ!)

前に何かで、我々は後の時代の人から「え!牛を育てて食べてたの⁉」と言われるかもしれない、との言を目にしたりして、うむむ〜、です。

食べ物一つとっても、習慣や文化の違いは大きいですね。まさに時代それぞれ地域それぞれ人それぞれ。その多様性を知ることは「一人一人みな違うね」と認め合う助けになるかと思います。

文化の違いを知ることは、偏見や思い込みに気づく大きなきっかけの1つです。実は「偏見・思い込み」は自我状態(心の状態)と深い関わりがあります。交流分析で学ぶテーマの1つ「自我状態」、とてもおもしろいですよ。
(文責 松本まゆみ)


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