桜の蕾ももほころんで、新年度の始まりが目の前ですね。

年度の締めくくりということで、今日はマツモトの「ドライバー」のお話を。この「ドライバー」は心理学の用語です。ネジを締める道具ではありませんよ。(ん?年度の締めくくりとは別に関係ない?…)

「禁止令」は自分が決めた生き方ルール=「決断」のうち、ネガティブな方向へ働くもの。そして、禁止令の命令を聞かなくてもすむように働くのが「拮抗禁止令」です。例えば「皆の役に立つ」(=拮抗禁止令)ならば集団の中にいてもいい(=禁止令「属するな」でなくていい)というように。

この「拮抗禁止令」のうち、代表的な5つを「ドライバー=駆りたてるもの」と呼びます。それが次の5つ。
・完全であれ
・他人を喜ばせろ
・いっしょうけんめい努力せよ
・強くあれ
・急げ
程よいドライバーは効果的に働くものですが、駆りたてられて過剰になると、自身に強い負荷をかけ、できないと自分を責める、等が起きてしまいます。5つのドライバーは誰もが持っているとされ、よく使うドライバーは人それぞれ。そしてどのドライバーが強く働くかは、その人の禁止令と大いに関わりがあるのです。

最初に習った時は「あ~、自分の一番強いのは『他人を喜ばせろ』かなぁ」と思っていました。ところが何度目かのドライバーの授業で、「強くあれ」を使う人はよく腕組みをする、と聴いたまさにその時、私は腕組みをしていたのです。「え?なら私の一番は『強くあれ』なのか?」と初めて気づいた瞬間でした。

へなちょこで弱虫のマツモト、「強くあれ」はないな~、と端から選択肢から外しておりました。腕組みのことだって何度も習っていたのに…。

私は人からの好意にも「いえ、大丈夫です」と遠慮する質です。これこそが強がりだったのか、自分の一番強いドライバーは「強くあれ」だったのかー⁉と改めて禁止令や人生脚本を見直すと、パズルのピースが埋まるように学んだことが自分と繋がっていきました。

「気づき」の起こり方はさまざま。あの時が、それまでずっと目を逸らしていた心の奥に閉じ込めていたものと向き合えるようになったタイミングだったのかな、と思っています。

いよいよ新年度。明るい春のイメージの陰で実は何かと負担も大きい時期です。疲れは都度癒やしながら過ごしてまいりましょう。 (文責 松本まゆみ) “こころぐ通信”は、こころセーフティネット協会にメールアドレスをご登録くださっている皆さまに毎月お届けしております。配信をご希望の方はメッセージ欄で、アドレスとお名前をお知らせください。協会のスケジュールやお知らせとともに、20日頃にメール配信いたします。