4月は出会いの時期。学校や職場で「どんな人がいるんだろう」と、期待とともに緊張や不安も伴う人間関係作りが始まってる方も多いかと思います。

そんな時、お互いに適度な自己開示(開示したくないことは、もちろんしなくてOK!)ができていると、集団の中の居心地が良くなるかもしれません。

「セルフアドボカシー」という言葉をご存じでしょうか。「アドボカシー」は「権利や主張を代弁すること」。福祉や医療・教育の場で、高齢者や障がい者・患者・子ども等、自分の意思を表明するのが難しい人に代わって、代理人が権利や意思を伝えること、の意で使われます。

この「権利や主張」を自分自身で伝えよう、というのが「セルフアドボカシー」です。何らかの障がいを抱えた方や支援を必要とする方が「自分はこういう特性があり、こんな風な配慮があると助かります」等と伝えること、を言います。

この言葉を知った時、マツモト思いました。「これ、どんな人にも必要で効果的なスキルなんじゃないかな」と。

例えば「お刺身がニガテ」なのに「海鮮丼の美味しいお店」に誘われちゃったら。困りますねぇ。でもお刺身が苦手だと伝えられれば「お誘いありがとうだけど、皆で行ってきて」とか「そこ他のメニューもある?」とか、スムーズに返事ができそうです。

セルフアドボカシーのスキルを高めるには、まずは自身の自己理解、そして伝える力が大切です。ところがこれが意外と難しい…。本当は何を求めているのか、自分でもはっきり解ってないことは結構多いもの。どうなったらいいのかを具体的に言えなくて、ガマンすればいいか、となりがちだったりします。

それでも、要求が適切に伝わればコミュニケーションを取りやすくなり、本人だけでなく周囲の人にもメリットがあります。まずはできる所から。誰にでも得手不得手があって、そこが上手く噛み合えば歯車が回りだし大きな力を生むことでしょう。新年度の始まりへ心からのエールを! (文責 松本まゆみ) “こころぐ通信”は、こころセーフティネット協会にメールアドレスをご登録くださっている皆さまに毎月お届けしております。配信をご希望の方はメッセージ欄で、アドレスとお名前をお知らせください。協会のスケジュールやお知らせとともに、20日頃にメール配信いたします。